非営利活動事業/人道支援事業 <カンボジア>

ガユーナ・セアロはあるアメリカ人慈善活動家の依頼により、2002年1月カンボジアを訪れ、ダイレクトアクションを開始いたしました。
内戦後(1993)、政治的、経済的不安定が続いているカンボジア。ただ、ガユーナ・セアロの関心は歴史でも政治でもまた経済発展でもなく、人々や子ども達です。物質に貧しいだけではなく、物乞いをし、道徳も教育も受けることなくさまよう子ども達。。。歴史を憂い、政府に疑問を持ちながら、常に他に依存する人々。

それまで、心は豊かでも物質が不足しているミャンマー、物は豊かでも心の豊かさを求めている日本やアメリカにおいて平和活動を続けてきましたが、カンボジアはどちらも支援が必要。。。果たして支援することなどできるのだろうか、そんな疑問さえも抱えながらカンボジア支援はスタートしました。

こちらが相手を選ぶのではなく、ただ「私達は同情ではしない、自分達が立ち上がって正しいことを行うならば支援する」というスタンスを態度で明確に示しながら、まずはお腹をすかしている子ども達にお弁当を配るということからはじめました。当初はそれで精一杯だったともいえます。

混乱の中、感情に振り回されることなく、私達の支援スタンスを常に維持し、単純な弁当配布行為の2つを地道に続けていくことにより、少なくとも私達の前では子ども達は人として基本的な道徳を覚えました。

大人に対してもこの行為を通じて、子ども達を利用したり、現状を嘆きなまけているだけの人々、何かくれるのならやるという人々は去り、真に自国の平和と幸福のために純粋に協力をする気持ちのある人々が自然に集まりました。


そして、「ストリートチルドレンのシンデレラストーリー」にあるように、孤児院設立の流れになり、それまで関わってきた子ども達、人々の中で自ら手を挙げた者が集まってできたのがドリーム孤児院です。

最初に依頼をうけたアメリカ人活動家から紹介された孤児院や人々、カンボジアで活動を続けるうちにうわさを聞き助けを求めてくる施設や団体など、2002年より数箇所の孤児院や施設、村数箇所の支援を行っています。また、より多くの子ども達へ支援ができるよう、現地でダンスコンテスト等プロジェクトを実施しています。

いずれも、
「依存、虚偽」には何も与えない、「自らの努力、自立意思」にはできるだけの支援を行うという支援スタンスを常に守りながら活動を続けています。

<現地報告>
●カンボジア支援全記録一覧
●現地協働NPO/NGO


●2004.9月支援記録 <収支報告>
●2004.11月支援記録 <収支報告>
●2005.2月支援記録 <収支報告>


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人道支援事業:カンボジア人道支援
期間:9月25日〜
9月31日
<収支報告> 写真アルバム(Flashファイル)
2004年9月の記録
パームトゥリーNGO
-
ドリーム孤児院の現在
- 課外授業アンコールワット見学
- ”ミャンマー支援”学習
- 新プロジェクト

プノンペン市内 孤児院訪問
- なまけものの大人たち?

Hope of Cambodiaとの協働プロジェクト
- コンテストプロジェクトと農村部井戸プロジェクト

パームトゥリーNGO

現在、孤児院には58名の子ども達が暮らしています。新たに14名の子ども達が学校へ通うことになりました。
パームトゥリーには理事、正社員として勤めるスタッフ(教師含む)、そしてパートタイムスタッフとして料理や掃除を行う女性、専門分野の先生などがいます。

子ども達の中には、スタッフの子どもや本人が希望して孤児たちと共に過ごし、学ぶ子ども達が数名います。パームトゥリーNGOでは、この1年間で大きな成長をしてきたため、まだまだたくさんの課題や整理していかなければならないことがあります。

そして、ボランティアとして無報酬で駐在するカンボジアの青年、日本、アメリカから目的をもって滞在するボランティアが3名います。

9月上旬、アメリカからアシュレーという男性が英語教師として3ヶ月間孤児院に滞在し奉仕をしています。また、下旬より、日本から佐藤洋子さんという方がボランティアスタッフとして滞在し、孤児たちの日常生活へのサポートと日本語のサポートを行っています。

この夏から、それまで練習していた民族舞踊の音楽を子ども達が習いし始め、今では生演奏でダンスを練習しています。子ども達の才能、吸収力はめまぐるしく、11月のダンスコンテストを楽しみにしています。ハートエキスポでは、多くの日本人、アメリカ人に喝采をあびたものの、地元カンボジアで行われたコンテストでは他の孤児院の子ども達に賞を譲らなければいけませんでした。他の孤児院の子ども達は長年訓練を受けていますので仕方のないことです。彼らは悔しい思いをしましたが、それが次へのステップにつながっていることはすばらしいことです。

長い間ストリートで過ごしてきた子ども達は、年齢にあった教育を受けることができません。カンボジアでは就業年数を経なければならず、学年を年齢にあわせることはできません。パームトゥリーNGOでは、独自のカリキュラムを作り、子ども達の学力と学習意欲を促進させることを始めています。9月は新年度にあたり、カリキュラムの各レベルを終了した子ども達が認定証を受け取りました。

課外事業として、シュムリアップ州にあるアンコールワットへ見学旅行に行きました。プノンペンから車で半日かかりますが、アシュレー先生と英語の勉強を車の中で行いながらの移動でした。小さな子ども達を除いた38名とスタッフが参加し、自国文化に触れました。

これまで、数名の子ども達がうそをついたり、逃げ出す形でドリーム孤児院を後にしたということが起きており、それによってどんな問題をおこしているかということについて子ども達とゆっくり話をすることができました。

「逃げ出す必要は全くない、悪いことではない。他の道を歩むこと、自分で生活することを望むのであれば、先生にまず相談してから堂々と出て行けばいい。そうすれば支援することもできるし、いつでも遊びに帰ってこられる。だまって出て行ったり、うそをついて出て行けば、応援もできないし問題にもなる。ドリーム孤児院では、そういう子どもは一切2度と受け入れることをしない。」

ということを、子ども達、スタッフとともに話し合いました。1年間、子ども達は増え続け、いろんな展開がありましたが、今一度守るべきことをみんなで認識し、信頼と愛を深めていく段階になりました。

また、アンコールワットでカンボジア人の誇りと信仰が生み出した歴史に触れたところで、ミャンマーの子ども達の紹介をすることになりました。写真を見ながら、物が貧しくても今あるもの、与えられた環境で強くたくましく、そして心ゆたかに過ごしている子ども達や人々の様子を伝えました。

ポールさんが、職業訓練ならば、農地を手に入れ農業や工場、工芸などをしてはどうかと提案し、その計画を立て始めました。そうするうちに、農地の提供者が現れ、アンコールワットにいる私達を訪ねてきました。物やお金の問題ではなく、重要なのは現地の人々が望み、自主的にはじめる意欲です。

それまでも様々な案や、土地を含めた物の提供がありましたが、どれも現地の人々、子ども達の思いや実力が反映されておらず、真の必要性を感じられるものではありませんでした。お金があったとしても進めていけるものではありませんでした。今回は、準備が整ったと感じるものがあり、農地購入を決め、計画を進めていくことになりました。



プノンペン市内 孤児院訪問

Hope of Cambodiaへプノンペン市内中心地にある孤児院から救済依頼があり、Hope of Cambodiaの依頼でガユーナ・セアロが訪問しました。

環境として、プノンペン市内で最悪ということを聞かされていましたが、マーケットのすぐ裏にあるにも関わらず、道はぬかるみ異臭が漂うところに孤児院はありました。一体孤児院と呼べるのかどうか、ただ、空き地の周りに人が住んでいるとは思えない建物が複雑にあり、そこに子ども達が住み着いている、という状況でした。

お決まりのように孤児院の責任者は民族舞踊を子ども達に躍らせました。前回のダンスコンテストにも出場していた子ども達でした。その責任者も「自分達は貧しいから賞をくれ」としつこくせがんでいた男性だったのを思い出しました。

お米を5t届けましたが、もっともひどいのはやはり心の貧しさでした。200人いるという子ども達の半分は、結婚式パーティーなどで踊りにでかけていないとのことでした。子ども達は踊りを踊って働き、大人は支援を請うだけです。「屋根も壊れてぼろぼろな家を見て欲しい」と、とにかくひどい状況を見てくれと責任者はいいます。

一体、この大人たちは何をしているのでしょうか。「私があなたなら、その壁や屋根ぐらい自分で直す。」そういい残して孤児院を去りました。

Hope of Cambodiaへ米のお礼が届き、そのためにプリンセスが孤児院へ招待されたようです。その機会を利用し、プリンセスから孤児院への指導と教育を行うことになっています。この11月のダンスコンテスト時までに、少しはこの大人たちが理解し、何らかの行動を自分達でおこすことを祈っています。そうでなければ、あの子ども達は、また賞をもらえないことになるでしょう。

Hope of Cambodia との協働プロジェクト

Hope of Cambodiaとは、引き続き農村部への草の根サポートを続けていくことを計画しています。村にも、ただ与えるだけ、一度に不必要なものがたくさん与えられ、人々がそれに依存することがないように計画を少しずつ進めています。井戸計画は、数箇所の村で1箇所の井戸を分かち合って使えるように
行い、用水路は、農業をがんばっているけれど、雨季と乾季による水の確保が難しい地域に、地元の人々が労働して作られるものを計画しています。

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人道支援事業:カンボジア人道支援
期間:11月17日〜
11月26日
<収支報告> 海外ダイレクトアクション記録
2004年11月の記録

支援先と主な受益者

1)パームトゥリーNGO支援/協働プロジェクト(孤児60名、スタッフ19名)
-
ドリーム孤児院訪問、状況調査と運営費サポート
- 農地プロジェクト開始・農地訪問
- 今後の運営、方針についてスタッフ会議と勉強会
- 第2回ダンスコンテスト参画

2)チャムチャオ孤児院訪問 (孤児19名、スタッフ5名)
- 調査訪問

3)Hope of Cambodiaとの協働プロジェクト (約300世帯)
- カンポンスプー州オラ村、井戸建設後調査、物資支援


4)カンポット州プレイピイ村 (約100世帯)
パームトゥリーNGOへ寄付した農地周辺農民約100世帯へ物資支援

5)第2回ダンスコンテスト開催 (約300人の子ども達出場参加、600名招待)
全国の貧しい村や孤児院で民族舞踊を練習している子ども達対象に、
夢を応援する第2回目のコンテスト事業実施。

6)おりがみスクール訪問
現地にカンボジア人の子どもを対象とした日本のNGO蓮の会が運営する
おりがみスクールを見学訪問。さらに現地との協力体制を強めていく目的。




1)パームトゥリーNGO

パームトゥリーNGO(ドリーム孤児院)も2年目を迎え、孤児も定員の60名に達した今、そろそろ次の段階に差し掛かっています。昨年9月より、日本人、アメリカ人の現地滞在スタッフ(ボランティア)が現れ、現地の毎日も詳しく把握できるようになりはじめました。そこで、子ども達の将来を考えることは当然ですが、その子ども達の手をとるスタッフや教員の教育、そして運営や方針といった基本的な部分を細部にわたり明確にし、強めていくことが現在の優先課題です。

ストリートチルドレン支援から、緊急の処置として当団体の出資と指導により孤児院ができました。しかし、彼らは独立したカンボジアの将来を担うNGOです。それを尊重しながらきましたが、子ども達の成長と学習向上のめまぐるしさに、スタッフが置いていかれるようではいけません。今回の訪問では、スタッフと話し合いを何度も何時間も行いました。

(つづき、詳しい内容は、海外ダイレクトアクションの記録をご覧ください。)

  

また、農地を訪れ、現地調査を行いました。水源、土壌と区画についての大枠を決定し、行政の代表者、周辺村の人々と今後の話し合いを行いました。孤児の中でも、この村へ移り住めることを前提に、建物や井戸の建設、新たにアメリカから農業指導目的に滞在を始めた青年を含め話し合いで決定しました。
(詳しい内容は、農業プロジェクトの記録をご覧ください。)



2)チャムチャオ孤児院訪問 

前回と同じく、事前告知なく訪問をし、現状調査を行いました。
(詳しい内容は、チャムチャオ孤児院のページをご覧ください。)






3)Hope of Cambodiaとの協働プロジェクト
カンポンスプー州オラ村、井戸建設後調査、物資支援


前回の訪問時、Hope of Cambodia (NGO)へ協力し、建設された井戸の一つを訪問調査を行いました。周辺の農民約300世帯の人々に、パームトゥリーNGOの子ども達と、海外ダイレクトアクション参加者が袋詰めした日用品のバスケットとお米(20Kg)を一人ひとりへ手渡しました。缶詰、乾物、ペットボトル水、石けん、調味料、タオルなど多種の必需品です。「今回お米と物品を送りました。そして井戸もできました。次に会うときは、この井戸で自分達が育てたお米で十分だというみなさんにお会いしたい」というHope of Cambodia関係者の言葉に笑顔で答えた村のみなさんでした。



4)カンポット州プレイピイ村 (約100世帯)
パームトゥリーNGOへ寄付した農地周辺農民約100世帯へオラ村と同じく、お米とバスケット入りの日用品を100家族へ手渡しました。今後、この村へ孤児院の子ども達が職業訓練と課外授業目的にやってくることへの協力を村の人々にお願いし、お互いに協力することを約束しました。この農地だけではなく、村全体に有益なプロジェクトとなるよう、今後の計画も分かち合いました。村に必要な井戸、村の産物(胡椒など農産物や織物)の流通支援について話し合いました。

  



5)第2回ダンスコンテスト開催
全国の貧しい村や孤児院で民族舞踊を練習している子ども達対象に、夢を応援する第2回目のコンテストを実施いたしました。海外ダイレクトアクション参加者や、パームトゥリーNGOが当日スタッフとして参画し、前回を上回る大盛況振りでした。
(詳しい内容は第2回ダンスコンテストをご覧ください。)





6)おりがみスクール訪問
かねてより依頼を受けていた、おりがみスクールへ訪問が実現。現地にカンボジア人の子どもを対象とした日本のNGO蓮の会が運営する学校です。今後、さらに現地との協力体制を強めていく目的です。また、おりがみスクールを支援するための、子ども達が歌った「世界に一つだけの花」CDの販売へ協力を始めました。
(詳しい内容はこちらをご覧ください。)